9月15日に金融庁からベンチマークが公表されました。沖縄の地銀の対応は?

地域銀行の融資手法や融資先の経営支援の姿勢に対する問題点は「捨てられる銀行」著橋本卓典(講談社)に詳しく書かれています。なぜ金融庁がベンチマークを公表するに至ったかがよく分かります。
そもそもベンチマークとはなんでしょうか。大辞林で調べると次のように書いています。

  1. 測量における水準点。
  2. 投資商品の収益率や、特定の銘柄の暴落率を比較・評価するための指標。
  3. コンピューターのハードウェアおよびソフトウェアの動作速度を調整・評価するための基準。
  4. 他社の優れたところを学び、それを基準にして自らの業務や経営を改善する手法。

金融庁の公表ベンチマークは、4にあたります。
沖縄の銀行も保証協会付きの融資であれば、仮に融資先が破綻しても保証協会が代わりに弁済してくれるため痛みが少ないことから積極的にこのような融資を行っています。中小企業にとっては、保証料を別に支払う必要があるため、資金調達コストは高くなります。また、銀行は貸倒リスクが少ないことから、融資先の経営状態や資金繰りの状況に無関心となりがちです。

同書籍によれば、金融庁が全国の地方銀行を調べてみると稚内信用金庫、北國銀行、きらやか銀行、北都銀行など地域の中小企業と向き合って業績を伸ばしている銀行があることが分かったとのことです。金融庁は、これら地方銀行の成功事例を調査研究し、ベンチマークとして公表し、全国の地方銀行にベンチマークを活用して地域の中小企業を支援する体制を整えるよう働きかけています。しかし、銀行にとっては金利低下による収益減のなか、これに対応することは新たなコストであり、どのように対応していくのか注視したいと思います。
※金融庁ベンチマーク
詳細

TOP