借金のための不動産譲渡で確定申告される方へ
2018.02.18
今年も確定申告時期となりました。
税の制度を知らないために余計な税金を納めているケースは後を絶たないのですが、税額も多額になりがちなのが不動産の譲渡関係の税金です。
借金のために不動産を譲渡したのなら以下の二つのいずれかに該当しないか検討されてください。
- 自分の借金の返済のために不動産を譲渡した
資力を喪失(破産のような状態)している状況で銀行等から強く返済を求められ、競売や任意で不動産を譲渡した場合には、譲渡所得税は非課となります。
(注)税務署から破産していないとダメと言われることもあるようですが、必ずしも破産手続きをしている必要はありません。同様な状況にあれば非課税となります。 - 他の者(法人含む)の借金の譲渡のために自分の不動産を譲渡した
他の者の借金の保証人或は担保提供をしていたため、不動産を譲渡せざるを得ない状態になったため不動産を譲渡し、他の者の借金を返済し、その他の者から弁済を得られない場合には、特例により譲渡所得税がかからない場合があります。
税務署等で申告する場合には、借金のために不動産を譲渡したものであることを証拠資料を提示し、強く主張してください。ただ、申告会場での混雑した状況の中、時間も限られることから、担当者も本当に資力喪失状況にあったのか判断がつかず、とりあえず確定申告をさせてしまうケースがあるようです。
過去には、税務署で申告を済ませた方が当事務所に来所され、特例を受けらると判断し、更正の請求で数百万円の税金を戻してもらったこともあります。