お土産は必要か。
2016.09.06
先日、銀行の方から聞かれました。「宮城さん、社長たちがよく言うんだけど税務調査で調査官は、必ずお土産持って帰るらしいね」
誤解がないように説明しますが、ここでいうお土産は、否認事項のことです。ケーキとか何かしらの金銭要求を行うとの意味ではありません。
調査官の立場からすれば、2日~1週間もかけて調査をし、何も指摘事項がないと格好がつかないと言うこともあり、かなり細かな指摘事項を行ってくることも確かです。交通違反で例えると「50Km制限のところを55Kmで走っていますから5Kmの速度超過です」のような指摘を行ってきます。税務調査でこれにあたるのは、交際費や福利厚生費関係の指摘がそのようなものでしょうか。ただ、経営者の考える交際費や福利厚生費の事業関連性の考えと税務調査官の認識は大きく異なります。言わば、この速度制限50Kmの基準そのもものが曖昧なのです。経営者は、異業種交流会や同業者の集まりで関係性を築き仕事を得たり、先輩経営者から経営の極意を聞いたり、従業員に対する細かな心配りを行いながら会社の経営を行っています。経営者の考える事業関連性の概念は、想像以上に広いのです。それを税務調査官は、なかなか理解出来ないのです。
ただ、これは税務調査官の年齢や経験、性格によるところも大きいと思います。ベテランになるとやはり見極めが早く、少額案件は追わず指導とし、早々に次の税務調査に向かっているように感じます。
さて、お土産は必要か?きっちりと適正に税務の処理を行っているのであれば、当然お土産の必要はありません。弊社の関与先の税務調査でも半分程度は、申告是認となっています。
税務署も税務調査の手順が改正され、審理担当者が本当に修正に値する指摘事項かチェックするため、お土産的な修正事項は減少していると思います。
先日の税務調査で資材ヤードの番犬(かなり獰猛な犬)のエサ代を指摘事項として挙げてきたときには、絶句しましたが・・・。